第08話

・CHAPTER-08「旋風!二人目は天使様・・?」

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前回のあらすじ?

裕司→変身→異形と戦ってダウン

景→慌てる→咲妃と裕司に助けられる→謎の騎士とご対面

忍→忘れ物取りに戻る→景と同じ。

咲妃→異形と戦う→重傷→すっごい痛い

メイ→裕司達と帰る→?


「・・これ、あらすじ?」

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・・黒と緑の騎士は、静かに佇んでこちらを見ている


・・敵か、味方か・・

景と忍が身構えた時、その姿が一瞬、拡散したように見えた


「・・!?」

「消えた・・?」


そこにその姿はなく、残った霧が完全に晴れても・・そこには人影すらなかった


「・・・」

「は~・・疲れたぁ・・」


・・かと思いきや、そこにはメイがへたり込んでいた


「メイちゃん・・?」

「お、お前・・・まさか今のお前が・・!?」

「ふぇ・・?・・あ・・みんな・・」


にこぱっ・・と笑うメイ


「二人目発見~♪」


にやりと笑う景は、誰から見ても不気味だっただろう・・

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「・・つまり何か?・・・お前、記憶喪失・・?」

「うん、頭がぼーっとしちゃって・・景に助けてもらう前の事ぜんぜん覚えてないの」


天導寺邸にやってきた俺らは、メイを交えて会議を開いていた


「・・国籍はおそらくフランス辺り・・で、年齢は間違いなく14才」

「・・それで?」

「当初手にしていたグラブから、とても現代では開発できない「バリア」という代物が発見されたわ」

「・・・・ばりあ?」


持っていたメイ自身がこれでは、まぁ・・な(汗)


「・・・ともかく、メイちゃんも変身出来ることがわかっただけでも収穫ね」

「・・だな。」

「ところで、あの形態の名前は?」


・・どうしてそっちに話が行くんだよ・・(汗)

俺はずる、とコケながら心の中で突っ込む


「ふぇ?・・べつに・・ボクも今まで変身出来るなんて忘れてたしィ・・」

「じゃあ・・羽があって、撃つのが攻撃の主体みたいだから・・ウイングショット!」

「・・うん、別に何でもいいよ?・・うわぁ・・なんか格好いいねぇ♪」

「・・本気か、お前」


・・俺は汗をだらだら流しながら突っ込みを入れる

もちろん、二人とも本気だろうが・・


裕司はすぐそこのソファーで眠っている

咲妃は・・地下にあるもう一つの景の部屋で「修復中」らしい


・・というワケで、なんかよく分からない間にA.R.Kにメンバーが一人増える事になった。

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翌日・・輪舞第三中学校


「・・あれ、裕司休み?」


明くんは教室に入るなり、あたしにそう問いかけてきた


「うん、ちょっと疲れてるみたい」

「そっか・・俺はてっきりまたルインさんに・・・」


だだだだだ・・という、ものすごい勢いで迫る足音


「・・だ、誰か・・今呼びませんでした!?」


・・ルインさん・・本人があたしたちの教室の入り口に立っていた

しばしあっけにとられるけど、とりあえず首を横に振る


「・・気のせいですか・・ところで、アルくん知りません?」

「アルって・・ああ、アルフレッド先輩」

「ぎくっ・・(汗)」


あたしはルインさんの後ろをこそこそと歩いているアルさんに、何気なく声をかけた

ルインさんは殺気を放ちながら、ゆら~りと振り返る

アルさんはだらだらと汗を流しながら、手にした剣の鞘を、正面に構えた


「アルくん!どーしてあたしのノートを返してくれないんですか!?」

「いや、だから、ちょっと武のヤツに貸してて・・」

「・・おいアル・・・俺、そんなん借りてないぞ」

「お、お前は友を裏切るつもりか!?」

「いや、俺が言ってるのは事実だ・・って・・・」


通りがかりの武さんも、ルインさんの殺気に押されている


「・・まさか、なくしたんですか?」

「・・いいえ。」

「・・なくしたんでしょ?」

「・・ちゃいまんねん。」

「・・正直にどうぞ」

「・・なくしました、ごめんなさい。」


勝負は、一瞬だった

勝負と言う程のものか知らないけど、一瞬でアルさんはルインさんに締め落とされていた

かくん、と首がうなだれる


「・・すげぇ・・「剣聖」が剣を抜く間もなく一瞬で・・・」


誰かが言った

ちなみにアルさんの反応速度は常人の5倍強・・人間離れした直感と反射で剣を抜き相手を斬る

・・しかし、ルインさんはそれの上を行っているらしい


「・・もう、しょーがないんですから・・」


ルインさんはアルさんを引きずって、行ってしまった


「・・武さん、あの二人の関係っていつもああなんですか?」

「・・実際付き合ってるとかいう話もあるんだけどな、なんかあーいう光景しか見ないから・・さ(汗)」


当の剣聖・・アルさんは学校でも滅多に見かけない人である

しかしルインさんが噂をするといつもそこにいるような・・?


・・まぁ、謎な人物の一人ということで・・


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そのころ、裕司は・・


・・あー、しんどいなぁ・・・

・・眠いけど眠れないし・・・


「裕司くん、大丈夫?」


声が聞こえる。

でも・・母さんじゃない


しばらく寝ている事になってしまった僕の面倒を見てくれているのは、お隣のリム=リゼックさん

父さんはだいぶ前から行方不明だし、母さんは仕事だし

こういう時は決まって、お隣さんが面倒を見てくれていた

・・昔、リムさんの夫、フィス=リゼックさんに仕事を紹介したのが父さんらしくて・・


リムさん、フィスさんがそれぞれに家にはよくしてくれている

・・フィスさんは普段仕事に出かけていて、リムさんは専業主婦。

二人とも新婚さん・・まだ22になったとか何とかくらいで、僕にとってはお兄さん、お姉さんくらいに思える

ブロンドの髪に薄い水色の目・・優しい微笑みを浮かべながら、僕の顔をのぞき込んでいる


「お疲れ様ねぇ~・・しっかし・・倒れるまで勉強がんばるのはよくないわよ?」

「・・違いますって(汗)」

「景ちゃんはそう言ってたけど?・・・まあ、ね・・」


リムさんは何かを考えていたようだけど・・すぐに下の階へ降りていってしまった


「とりあえず、何か作ってくるからー♪」

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再び、今度は三時間目の輪中・・


今日はサッカー。

改都のクラスとだな、確か・・


体育の時間にこの競技をやるのは、俺は正直好きになれない

・・いや、競技自体がキライなんじゃなくて、ウチのメンバーの一人がな・・


「忍!」


そうこう言っている間にセンタリングがあがる

俺は空中でパスを受け取ると、オーバーヘッドの要領でそのメンバーにパスを送る

・・危険なヤツなんだよ、あいつ


「キーパー逃げろ!大介のスパイラルクラッシャーが来るぞ!!」


・・スパイラルクラッシャー?・・なんだそりゃ、と思うだろ?

・・必殺シュートだよ、「大介」の

「受け取れ!・・必殺!スパァァァイラルッ!クラッシャァァァァァッ!!!!


衝撃波が近くにいたメンバーを吹っ飛ばした

その名の通り螺旋を描きながら、ボールはすさまじい波動を発して飛んでいく


途中・・ボールは迷惑な事に波動だけを残し、一瞬にしてゴールネットを巻き上げ、貫通する

まだ勢いは止まらず・・背後にあったフェンスも貫通して・・どこかに飛んでいってしまった


「っしゃあ!1点目!」

「・・・1点目から必殺シュート撃つなよ」


大介のキック力はフルパワーのキック力増強シューズにも勝る

・・そういえば昔、ヒマで「中国に遠征に行った」とか言ってたな?

・・・まさか・・「あの寺」で修行したとか言うつもりか・・?(汗)


「いつ見てもすげェな・・お前のシュートは」

「監督もな、これで遅刻する癖がなければ一軍なのに、ってさ」


・・それはヤバイ癖だと思うぞ


大介の最大の弱点は、その遅刻するという妙な癖だ。

30分とかざらで、下手すりゃ2時間くらい

・・ちょうど苦戦してるところに、颯爽と現れるんだよな(笑)


ったく・・・「バツ&テリー」みたいなヤツだぜ・・


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帰り道、俺は景とメイと一緒に、先輩のバイトしてるファミレスに寄っていた

ルイン先輩は今日は休みのようで、俺たちはその同僚にささっと飲み物を注文すると、席についた


「咲妃は大丈夫か?・・・あいつ胸刺されて血だらけだったが・・・」


近くのオムライスを食べていた客が、がちゃーん!とスプーンを落とした


「ええ・・いくらかの内蔵がぐちゃぐちゃになっていたけど、もうすぐ完治するわ」


レバー炒めを食べていた客が、それをのどに詰まらせてむせた


「・・?・・・何かしら、さっきから・・」

「・・さぁな。」


しばらくして俺はアイスティー、景はレモンティー、メイはクリームソーダを受け取った


「・・お前、好きだな・・・(汗)」

「ふぇ?」


メイはチェリーをくわえながら、きょとん、と目をぱちくりさせる

・・言動が子供っぽいとは思ってたが・・中身までお子様か、こいつは・・・

俺の脳裏に昨日の様子が思い浮かぶ

こいつが、黒と緑の、不思議な光を操る騎士・・・

ウイングショット、その形態になったメイとは想像もつかない


しかしまぁ裕司といいこいつといい、どうして妙なヤツが変身能力なんて持ってるのか・・


「メイちゃんは昨日初めて変身したのよね?」

「うん・・(もぐもぐ)・・・ひょうだひょ。」

「・・・フルーツ口に含みながら話すな」

「ふにぇ?」

「・・・だから、口に含みながら「ふぇ?」って言うな」


・・ったく、こいつ・・・何者なんだよ?

ただの変身できる子供っぽい中学生、って言ったらそれまでなんだよな・・

・・ま、チェスみたいにスパイって事はないだろう、確実に(断言)


「とにかく・・ユウちゃんが回復するまではあたしと咲妃ちゃんとメイちゃんでがんばらないとね?」

「ふにぇ。」

「・・・・」


口の周りにべったりクリームをくっつけて、右手にはスプーン・・

了解してるのか疑わしいぜ、ったく・・

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「アル殿・・!」

「・・あ、改都」


駅前では、改都とアルが鉢合わせしていた

双方共に連れがいたのだが、それを無視して二人の世界に入っている


・・・・斬る!

・・・・抜くか!


「・・あの、改都く~ん・・?」

「どうしたんですか、アル君?」

「・・・いつものチャンバラごっこが始まるんでしょ・・ほっといて行きましょ、数騎。」

「だ、だけど・・」


そういうワケにもいかないと、なんとかこの場をおさめようとする数騎だが・・


「数騎~・・・か・ず・きィ~♪」

「あ・・・」


ここから少し行った所・・踏切の向こう側からした声に、数騎はささっと行ってしまった


「京子さ~ん!」

「・・・・あのね・・」


奏も数騎の速さにあっけにとられていたが・・アルと改都のにらみ合いを眺めているのもいい加減飽きたので、すたすた歩いていってしまった

商店街・道のど真ん中・・・・長い刀の鞘を構えて殺気立つ二人の中学生

傍観者も中学生一人・・いや、周りではなにやらひそひそと話をしている人々がいた


斬り合いが始まったが警察が来た事でブレイクとなり、二人はそれぞれに見事な逃走劇を演じる事になった


この見事な逃走劇は・・後に商店街の伝説となったらしいが、定かではない(笑)

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「あ」

「え?」

「う・・」


慣れないもので、路地を曲がった瞬間異形と鉢合わせ・・

すぐに臨戦態勢をとるという、当たり前の行動もできなかった


「メイ!」

「うん!」


メイちゃんは翼の生えた騎士・・ウイングショットになると、あたしと忍くんの盾になるようにして構えた

異形の伸びる腕を受け止め、言う


「ヒカリ!アリスを呼んで!」

「わかった!」


あたしはマルを操作して、小型のビットを霧の外に飛ばした

前回の失敗をふまえて、通信を霧の外に打ち上げたビットから送るようにした


これなら霧のせいで妨害されることもない


「ゲート指定、六澄北!」

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というワケであたしが位置情報を送ると、天導寺重工本社では・・


「お嬢様からコールだ!」


本社の責任者・・「エリアルホーム」工場長の佐渡さんが職員に指示を出す


「4番から12番までのハッチを開放、格納庫4番射出準備!」

「気圧正常、レールコンプリート!」

「到着までのカウントスタート・・60秒!」

「PAM-01・・シュート!!」


佐渡さん達の見てるモニターに、4番の格納庫・・コンテナが射出されていく様子が映る


「・・無事射出できましたね・・」

「でも工場長ぉ・・この一連の台詞って言わないとダメなんですか?」

「・・言わないとお嬢様に減給食らうぞ?・・第一なかなか楽しいじゃないか、緊迫感あってさ♪」

「・・・工場長・・・」

佐渡は割と乗り気なのだが・・・

オペレーター二人には正直ついていけないトコがあった


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「来た!」


ゲートの開く音、そしてアリスはあたしの位置を確認して、まっすぐに走ってくる


「お姉様!」

「・・って咲妃ちゃんまで!?」

「もう大丈夫です、ですからセキュリティモードを!」

「・・了解!」


あたしはアリスに飛び乗り、すぐに咲妃ちゃんへセキュリティ起動のプロセスを行う

咲妃ちゃんの目が鋭い光を放ち・・メイちゃんと組み合っている異形に、また突っ込んでいく

・・メイド服のスカートが翻ると、その手にはどこからともなく現れたガトリングガン・・!

?どこから出した・・って、そりゃスカートの中に・・


咲妃ちゃんは異形に組み付くと、ごづ・・とガトリングの砲身を密着させた

ががががががっ!!!!

至近距離からの連続砲火で異形もかなりのダメージを受ける

しかし、異形も素早く手を振り回し・・咲妃ちゃんはそのままはじき飛ばされてしまった


あたしはアリスを起動させ、すぐに異形に組み付く

モノアイがレールを滑って、咲妃ちゃんの姿を捉える


「大丈夫、咲妃ちゃん?」

「お、お姉様・・・胸が・・・胸・・・痛いですぅ・・・(泣)」


まだ完治したとも思えなかったけど・・傷口が開いたのかも・・


「そのまま動かないように!・・メイちゃん!」

「うん!」


アリスの右アームが異形の右腕を引きちぎり、そのまま遠くに投げ飛ばす

ウイングショットは至近距離で光弾を連射し、異形はうなり声をいっそう強めた


・・!?


次の瞬間、アリスのセンサー部はひしゃげ・・・装甲は表面が一瞬にして融解した


「しゃ・・尺鋼が溶けた!?」

「なんだ!?今の光線はっ!?」


尺鋼はレーザー融合で作られた最強の金属・・

ん?・・レーザー・・?


「そ、それじゃ今のはレーザー!?」

「ベタ!」

「そ、そりゃ怪獣で光線ってベタだけどぉ!」


妙な会話を繰り返す間にも、異形はそのレーザーを放ち、アリスを執拗にねらってくる


一発はリニア駆動のおかげで回避できたけど・・二発目は右肩を貫通し、えぐりとった

関節が溶けたおかげで右腕が動かなくなる・・


「くっ・・ぁ!?」


右腕を壊された事で異形をにらむようにするけど・・その瞬間あたしの目前に、その顔があった

レーザーがアリスの頭を貫通し・・その背後にあるコクピットも、同時に貫通する


あたしはコクピットまで来たレーザーをすんでで回避したけど・・機材が爆発を起こした


「きゃあぁっ!?」


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・・アリスがやられちゃった?

・・ヒカリ・・


「ボク・・怒ったからね」

「メイ?」

「絶対・・やっつけてやるんだからっ!!」


ウイングショットの頭部が開く

・・いや、バイザーのようになっていた部分が変形している

ブルーと同じように、両肩が閉じて、両腕には新しい形状が生まれる

そして背中の天使の羽は、いっそう大きく広がる・・!


「だぁぁぁぁぁっ!!!」


ボクは異形に飛びかかった

右腕からは光の剣・・レーザーブレードが発振している

異形もレーザーを撃ってくるけど、ボクは左手でそれをはねのけた


・・ケガしたらどれだけ痛いか、絶対わかってないんだ!


ボクはそう心の中でつぶやいて、レーザーブレードを振るった

アリスが吹き飛ばした右腕とは逆の、左腕・・

いや、左半分をボクのブレードが斬った


「っ!」


着地してすぐにジャンプして、頭を蹴り飛ばす

よろよろしたところへ、さらに高くジャンプしたボクは・・ブレードを真上に構えて叫んだ


「一刀・・両・・断ぁぁぁぁぁぁん!!!」


不思議に思ったけど、なぜかボクはその技を使っていた

・・技って言うほどご大層なものじゃない、と誰かが言っていた

誰?

ボクの頭の中に、その声が響いていた


・・異形はボクがその人を思い出そうとしている間に消えてしまって・・・


ボクは、気がついたらヒカリの家の、ベッドの上で目を覚ましていた

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・・翌日・・


「・・あーあ・・やっぱり傷になっちゃってる・・」


体育の時間の前、あたし達は女子更衣室で、着替えの真っ最中だった

あたしはコクピット機材が爆発したおかげで右肩に火傷と、ちょっとした切り傷を受けていた

モニターが死んで外の様子が見えないので、あたしがコクピットから出ると・・

咲妃ちゃんがもがき苦しんでいて、メイちゃんが地べたで眠っていて、忍くんが唖然とした表情で突っ立っていた


・・咲妃ちゃんはすぐ回復して、また学校生活に戻っている

忍くんはもちろん問題ないし、あたしも見ての通り右肩に傷跡が少し残ったくらい・・それも数日で消えるだろうし。


「景さん、大変ですねー。」

「え、ええ・・」


委員長だけには真相を知られちゃいけない・・


「・・・・」


小麦ちゃんが「大丈夫?」とメモ帳に書き込んだので、あたしはこくこく、と頷いて答える

チェスは・・・なにやら「知っている」ような顔でにこ・・と笑った

(よもやこの娘にはA.R.Kの正体バレてるのでは・・)

で、メイちゃんは・・


「メイちゃん、寝ぼけてないで早く着替えしないと・・」

「ふぇ・・あ、ああ、ゴメン」


やっぱり「進化」すると眠くなるらしい

メイちゃんの場合2回目でいきなりだったから・・


・・メイちゃんがセーラー服を脱いだ

いつものように体操着に着替え・・

着替え・・・


え?

ええええ?


「・・メイちゃん、羽・・・」

「はね?・・・・ボク、朝ちゃんと髪の毛とかして来たよ?」

「・・・じゃなくて、羽・・・」


メイちゃんの背中には、小さな羽があった

それこそ天使の羽のように、こぢんまりとした、可愛らしい羽が・・


「鏡、はい手鏡・・」


鏡の前に後ろ向きで立ち、手鏡で自分の背中を見せられる、すると・・


「ふぇーっ!?」


当然だろうけど、驚いて大声を上げた

「め、メイさん・・その背中のは一体??」

「・・・・(メモ:あらら)」

「可愛いじゃないですか」


その場にいたのが委員長達だけだったのは救いなのか不幸なのか・・

・・ああ、なんかヤな予感・・


「早速みんなに教え・・・」

「・・ちゃダメだよー!!」

「なぜですか?」

「だ、だって・・ボク、こんなの背中にあるなんて・・」

「・・・メイさんは天使だったんですね?」

「ふぇ?・・だ、だからこれは違うんだよ~!!・・」

「ふふん。」


委員長はイヤらしい笑みを浮かべると、メイちゃんに言った


「黙ってても良いけど・・・その代わり、景さん達が何をしているか・・・話してもらいましょうか?え?」

「わ、わかった・・」

「わかっちゃダメ!!その話はしちゃいけないのよ!!」

「なぜですかー?・・何か怪しい事でもしてるとか・・」

「ち、違うけどッ!!」

「・・じゃあ話してくれますよね?・・メイさんの保身のために・・・」

「くっ・・・」


こ、この悪党めっ・・・!!


・・結局どうしたかは・・聞くまでもないでしょ


・・あ~あ・・また秘密が漏れちゃった・・しかも一番知られたくない人間に・・・


先行き不安な秘密組織A.R.K

あたしはため息全開で、帰路についた・・。


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